3Dゲームにおけるインタラクティブカメラ
カメラシステムは、操作性、視認性、臨場感、さらにはゲームの難易度にまで大きな影響を与える、非常に重要な要素です。
そのため、理想的なゲーム体験を実現するには、カメラシステムを丁寧に作りこみ、適切に調整する必要があります。
ここでは例として、「キャラクターとの距離(=Default Distance)」が異なる2種類のカメラ設定を比較してみましょう。
【DefaultDistance=5】

1枚目の画像では、キャラクターが画面上に大きく表示される反面、周囲のステージや進行方向(この場合は右方向)の情報が視界に入りません。
このような状態では、画面外に障害物があった場合、プレイヤーがそれに気づけずミスをしやすくなり、結果としてゲームの難易度が上がってしまいます。
【DefaultDistance=20】

2枚目の画像では、カメラをキャラクターからより遠くに配置しており、プレイヤーは広い範囲の情報を確認できるようになっています。
このように、「どの程度までキャラクター周辺の情報を見せるか」は、レベルデザインを考えるうえで非常に重要な判断材料となります。
【DefaultDistance=40】

では、「カメラを遠ざければ遠ざけるほど、ゲーム体験は向上するのか?」というと、そう単純ではありません。
3枚目の画像では、カメラがさらに遠くに配置され、確かに周囲の情報は把握しやすくなりましたが、キャラクターが小さくなりすぎて操作に支障をきたすようになります。
また、以下のような新たな問題も発生しがちです:
- キャラクターの動きが視認しづらくなる
- 画面内の情報量が増え、目が疲れやすくなる
- 本来見せたくない部分(隠し要素やメッシュの裏側など)が映り込んでしまう
- 描画範囲が広がることで処理負荷が増し、パフォーマンスが低下する可能性がある
【ゲームの種類に応じた最適化】
たとえば、広範囲に攻撃が届くアクションゲームや、大量の敵が登場するゲームでは、広い視野が必要となる場合もあります。
しかし、本教材で扱うようなプラットフォームゲーム(横スクロールアクションなど)においては、もう少しカメラをキャラクターに近づけた方が、プレイヤーは操作に集中しやすくなるでしょう。
理想的なカメラシステムを探るプロセス
このように、カメラシステムは試行錯誤を繰り返しながら完成度を高めていく必要があります。
カメラの各パラメータに「正解」はなく、テストプレイを重ねる中で、徐々に理想に近づけていくことが重要です。
本サイトでは、実際にカメラパラメータを調整しながら、システム構築の過程とその意義を学ぶことができます。
実践:カメラ距離を調整してみよう
それでは、実際にカメラとキャラクターとの距離を調整してみましょう。
パラメータをいろいろ試しながら、自分が「遊びやすい」と感じる設定を探してみてください。